くっそまずいポテチ ※ただし味覚には個人差があります使用上の注意をよく読んでご使用ください当作品はフィクションであり実在の(文字数)
世の中には絶対不味くはならねーだろー というものがいくつかある。
店で商品として売られていればなおさらである。少なくとも、味にうるさい人がパクパク食べつつ難癖つけるレベルだ。
そういう物の一つがそう、ポテトチップス、通称ポテチだ。
『ポテチなど不味く作ることなどできない』
人類誰しもがそう思っていた。
しかし!!!
そんなことは誰が決めたのだ! 総理大臣か!? 大統領か!? それとも神か!? 否!!! そんな不可能の壁に挑むがごとく、くっそまずいポテチがこの世に存在した……。少なくともベストオブくそまずいポテチ(味覚の冒険しない私調べ)だ……。
黒い缶に厳重に密閉された容器……
一回剥がしたらもう後戻りは出来ない蓋……
もう、この時点で、国内メーカーの普通に美味しく、普通に全人類に好まれるようなポテチとは一線を画していることがわかるだろう…………。
俺はパンピーとは馴れ合わねえぜ、俺はわかり会える奴を探してるんだ、という意気込みを感じる……。
そして彼が目指しているのは! そう! 世界!
原産国 アラブ首長国連邦! 日本まで遥々やってきたのである!
しかも、味は…… 黒 ト リ ュ フ風味(黒トリュフ香料使用)
黒トリュフって時点で地雷臭が……? いやいやいや 考えても見てほしい。だって、美味しいって有名じゃん? フォアグラ、キャビアと並んで三大珍味じゃん。
金持ちがアホみてーに何にでも乗っけてくってんじゃん。
高かったら美味しい! 高いお金だして不味いわけないじゃん?
嗚呼、そういう油断が、あんなことになつてしまうなんて……。
どう不味いかを文章で伝えるのは難しい。実際に体験していただくより他にないのだから。
しかし、あえて言うならば…………
食 べ ち ゃ い け な い 物 の 匂 い が す る
見た目は普通、食感も普通…… だが! 一口、サクッとした瞬間、口内から鼻へそれから瞬時に脳へ、味覚で、嗅覚で、ウーウー、サイレンが鳴りはじめ、町内の消防隊員へ出動を求めるように、これまじであかんやつと身体全体に知らせる、そんな味だった……。
これは決して生半可な気持ちでは挑んではいけない……。
そう、食は戦いだ。
あなた『覚悟して来てる人』……ですよね
どこかで聞いた、そんな奇妙なセリフを思い出す。
まさに、食うか食われるかの戦いなのである。
それでも、彼はいつか自分を打ち破りし勇者が現れるのを待っているのだろう。『ポテチなど不味く作ることなどできない』という不可能は、本当に不可能であったと証明される日が来ることを……。
実際このポテチ、ネット上では意外にも大人気だった……芸能人も大絶賛だとか……。あ、ちなみに名称は『ハンター ポテトチップス 黒トリュフ風味(黒トリュフ香料使用)』です。
あんなの美味いとか言っているやつ本当に食ったのか、舌か鼻腐ってんじゃねえの……
あのような勇者たちの世界線では、くっそまずいポテチなど未だ存在しないのだ。
それから、くっそまずいポテチの 処分 活用法を教えろください…… 蓋できねーから湿気ったらゴミがゴミを超える。