ピアノ(聞く方)にハマったんだけど、語り合う人もいないので、吐き出してみる。
始めは、リストの『超絶技巧練習曲 第4番 マゼッパ』に取り憑かれたの。
あの緊急地震速報みたいな、不協和音からはじまる、あれ。メインのメロディの裏でおどろおどろしい呪いの声みたいなのが流れるあの曲。
しばらく、めっちゃ聴きまくってて、色んなピアニストのを聞いていて、超絶技巧を聞いてみる。
同じくリスト先生の、『超絶技巧練習曲 第5番 鬼火』を、色んなピアニストで聞き比べしようって動画きいてたら、この人、めっちゃ綺麗じゃね! って思ったのが、キーシン先生。
そこから、キーシン先生のを聞きまくって、そんな時に、珍妙 個性的な弾き方をするピアニストに出会う。
それがランラン先生です。イマココ!
マゼッパは、すごいよね…………。聞いてるだけで、あ、ちょーむずそうってわかる。確か、怒り新党の三大○○のコーナーで見た覚えがある。他は覚えてない。
リスト先生の鬼畜さ(技術力)がわかりやすい曲だと思った。
リスト先生は、元々、超天才ピアニストで、初見でほぼ全ての曲を弾いたという伝説がある。(唯一、弾けなかったのが、ショパンで、その後、めっちゃ悔しくて、ショパンの曲弾きまくってコンプリしたという。)
しかも、マジイケメン。 名前もフランツだし。コンサートでは、女性ファンがいて……。しかも、ストーカーチックな人もいたらしい。
15歳でパパ死んじゃって、ピアノ教師して生計立ててたんだけど、その生徒(確か年上の貴族令嬢)と恋に落ちて、でも、結婚できなくて、その後、別な伯爵夫人と恋して、愛の逃避行して、子ども3人できたけど、別れて、その後、別な恋人できて、でも、宗教的に離婚できなくて、なんやかんやあってー
で生まれた『愛の夢』
これは、「こいつの技術マジぱねー!!!」からの「ただの技術厨乙www」してたショパン先生も、おーって思ってたんじゃなかろうかと少し思ってみたり。
その『愛の夢』は、そんな好きでもないんだけど、キーシン先生の2つの『愛の夢』はどちらも美しい。
少年時代の『愛の夢』は希望に満ちあふれて、きらきらしてて、青年時代の『愛の夢』は、しっとりしてて、聞いているとちょっぴり切なくなる。でも、美しい。
キーシン先生の曲で好きのは、ショパンの『木枯らし』。ロシア出身だけあって、めっちゃ寒そう! でも済んだ音のキラキラが美しいの!
ショパンの『革命』もよくて、何度も聞いてるけど……『子犬のワルツ』もよくてって、あれ、私ショパン好きすぎじゃない? 今気づいた!
一番、キーシン先生の良さが出ているのは、私が今まできいた中ではムソルグスキーの『展覧会の絵』だろうかと。序章はよく聞くけど、他のあんまり聞いたことなかったの。けど、軽快な所は軽快に、ずっしりな所はずっしりと。ほんとに絵を見て回ってるような感覚になる。一人でオーケストラしてる。
そんなキーシン先生のキラキラ済んだ音が好きなんだけど、それよりすごいなと思ったのは、ランラン先生のリスト 『ラ・カンパネラ』
確かに動きはすごいのだけど、音色が更にすごい!
『ラ・カンパネラ』自体は、色んなピアニストが弾いていて、今までは、フジ子・ヘミング先生弾かれる重厚な曲のイメージだった。
キーシン先生の『ラ・カンパネラ』は、もっと軽やかに弾いていた。特に、キラキラが綺麗。
ランラン先生の『ラ・カンパネラ』は、キーシン先生のキラキラ部分が、なめらかなカーテンのようで、それがまた綺麗だと思ってしまったんだよねー……。
ランラン先生の他の曲も色々聞いてるけど、今のところこれ! って思うのに出会えてないのだ。けど、ランラン先生のは、聞いていて、見ていて、楽しい気分になれる。どの時も、楽しそうに弾いていて、特に、オケとやってる時は、その調和を全身で味わうように楽しんでいて、本当に、音楽を愛してるんだなと思った。
落ち込んでる時に見ると元気出る。
で、色々見ていて、ニコ動のコメもみて、これ好き、こっちの方が良い、というのを見ていて、お手本(楽譜)はあっても、それ通りであることが素晴らしいと言うわけでもないんだなと。
実際聞いていると、キーシン先生もランラン先生もミスタッチはあったりする。一瞬、Oh…って思うけど、けれど、それでも、表現することを諦めず、努力を止めず、美しい音楽を紡ぎ出すチャレンジ精神は素晴らしく、それがわかるから、表現しようとしているものの美しさは、決して損なわれる訳ではない。
ショパンの『英雄ポロネーズ』は、どれも美しくて、っていうか、多分機械打ちであろう、病院で流れてる英ポロがぐんにょりでさー リズムがちょっとおかしいのー! お前絶対英雄じゃねーだろ! って思うのー!! それに比べたら、イケメンだったり、重厚な将軍だったりしても、みんなちゃんと『英雄』なのだもの。プロだから当然なのかもしれないけどね……
キーシン先生のは優美なイケメソ。それに対して、ランラン先生のは、明るくて豪快な英雄っぽい。
そんなことを語りたかった、2019年。
もう既に色々あって、ありすぎて、どういう面から見ても、きっと、忘れられない年になりそう。過去から見るとどんな年になっているのだろう。
それでも、こんな時代に生まれて良かったと思う。