はてな村の鳥日記

ダイアリじゃなくてブログだけれども。

 こんな形でアメフトが知れ渡るのもちょっと有馬さん的には残念なことだと思ってるだろうな。

 有馬さんは、被害者と同じ大学、同じポジションで活躍されていた元選手。その後TBSに入社して、アナウンサーとして活躍。アメフトへの熱い思いが捨てきれず、退職し、アメリカへ渡る。帰国後、フリーアナウンサーとして活躍する一方、日本のアメフト界を盛り上げようと努力している方なのだ。

 今回の件で、少なくとも2人の若い選手がアメフットをやらなきゃよかった、やめたいと思うほどつらい思いをしてしまった。

 私は色々と考えてしまう。

 

 ちょっと違うけど、私が通ってた高校は野球で有名な甲子園常連校だったのだ。

 彼らは、スポーツ推薦といって、中学時代から野球で活躍してる子たち。その子らでも、必ず1軍に入れるとは限らない。同じ学年で、スポーツ推薦(野球だけじゃないけど)だけのクラス3つくらいできちゃう学校だから。それをスポクラ(スポーツクラス)って呼ばれて、一般のクラスとはほとんど交流なかった。

 交流というのは、例えば、授業で他のクラスと合同になることがあったと思うけど、それも、彼らだけでできてしまう。

 イベントごとも部活の大会があったらそっち優先だし。

 あと、地元が遠い子が多いので、それから、朝から晩まで部活なので、スポクラは寮だった。(他の子は、同県、隣県くらいの、地元ばっかりなので、通学。)

 同級生でありながら、どこか別世界な感じがしていた。

 そして、彼らは、その後の人生も、大学や就職もスポーツ推薦ならば、そういう生活が続くのだろう。

 彼らの、色んなことが野球優先の人生に、最適化されていたんだよね。

 

 怪我させてしまった彼もそうだったのだろうかと考えてしまう。

 そんな指示聞くくらいなら、試合出なくたっていいじゃん部活やめりゃーいいじゃん、って思うのは簡単だけど、彼は本当の意味で、ほかの人生が考えられないほど、過去も未来もそのスポーツに縛られていたのではないだろうか。会見中、彼は、してはならなかった、強い意志を持つべきだったと言っていたけど、あの時、そういう道を選べたか、という問いには、答えられなかった。監督が絶対的な存在であったから逆らえなかったとか、そういうものもあったかもしれないが、そのスポーツをやらない人生を考えられなかった環境も、その一因ではなかっただろうか。

 人によっては、その強制力が強くするのだ、ともいうかもしれない。むしろ、それがなくなってしまったら成り立たなくなるとすら考えるかもしれない。

 そういう世界にいたことがない私にはどうあるべきかはわからない。でも、もう二度と彼のような立場の人が現れないようにあって欲しいと願う。

 

 ほんと、泣きそうになるくらいつらい事件だなと思う。

 

 ただ、個人的には、怪我をさせた彼について、同情はしているが、どんな事情があったとしても、決してしてはならないことをしてしまったと思っている。

 彼は潔く謝罪したとは思うし、あの年でああいう場に立ち向かった姿には本当に恐れ入るが、それ以上に称えるべきなのは、やらないと出してやらないぞという脅しに屈しなかったり、監督やコーチはああいうけど、お前やるな、一緒に戦うからやるんじゃないぞ、って止めたりした、表には出てこなかった勇敢なものたちだろうなと思う。

 彼を止めてくれる人、一緒に闘ってくれる人がいなかったり、これまでの人生で、そういう強さを教えられなかったということが本当に残念なことだと思う。

 スポーツがそういう類の強さを身に付けるものであって欲しかったな、と思うのは、多分、私の勝手な理想かもしれない…。

 きっと我らは勝手に正しい道は選べない。正しい道を選んで讃えられたり、評価されたり、育つ土壌があって、正義は育つのだと思う。